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「…ん…っ」
目を開けると、知らない天井が広がっていた。
(ここ、何処…?)
「目、覚めたか」
声のした方へ振り向くと、さっきの男の人がいた。
先輩らしきその人は、ずっと僕の頭を優しく撫でている。
「あの…ここは?」
「あぁ、学園の保健室だ。お前、いきなり倒れるから驚いたよ」
すこしおどけたような口調。
そこには敵意も悪意もない。
僕の緊張は次第に解けていった。
「えと、運んでくださったのって、貴方ですよね?……ありがとうごさいました」
滅多に使わない顔の筋肉を使い、ぎこちなくだが微笑んでみる。
すると彼は驚いたように目を見開く。そしてすぐにニッ、と微笑んだ。
「お前、そういう表情もできるんだ…いいじゃん」
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