46人が本棚に入れています
本棚に追加
コーヒーをドリップするまで、なぜか噂話が始まった。
給湯室=噂話
どこの会社もそれは同じようだ。
「今、皆川店長が来てるんですけど、気をつけてくださいね。あの人、男好きですから。」
「そうですよ。外見は小型犬みたく可愛いのに全然中身違う。仕事中は恐いし。」
仕事は関係ないのでは。
皆川さんの噂は何度か聞いた事があるし、本当の彼女を知ってる俺としては実に不可解だが、一々彼女の説明をするのは面倒だ。
俺は、軽くほほえみ曖昧にうなずく。きっと、今の俺の笑顔は、夏樹によくからかわれる"うすら笑い"だった事だろう。
「専務は、お優しいから。私達が守ってあげますね!」
はいはい。はぁ…こいつらが煎れたコーヒー不味そう。
「そうだね。お願いするよ。」
説明しても無駄だろうし、俺は波風立てないように肯いた。
だが、これが後でとんでもない波風をたてる事となる。
最初のコメントを投稿しよう!