初めての朝

8/19
前へ
/261ページ
次へ
よく冷えたビールを、飲みながらお洒落な音楽を聴いて… もうかなりの時間になっていた。 すると… 夏目さんが目を擦りながら… ボソッと言った。 だんだん眠たくなってきたね… 僕は、頷きながらも、尋常じゃない心臓の音と、妄想でどうにかなりそうになっていた。 そんな僕の思いをよそに、着々と… 夏目さんは、ソファーベッドを倒してくれた。 そして… 「寝よう」と言った。 僕は、声に黙って従って横に静かに潜り込んだ。 電気を消してから、身のやり場に困っている僕に、しばらくして夏目さんが 優しい声で、 「ちょっといいかな?」 全然いいですよ。 なんですか? とスマートに言いたいが、なんにも言えず黙ってただ頷くだけの僕 「甘えついでに、腕枕してもらえたら嬉しいな」 もう願ったり叶ったりです。 僕は、静かにそっと柔らかい髪の下に腕をいれた。
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

434人が本棚に入れています
本棚に追加