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慶「…………座って」
母さんは深刻な表情をしながら席に座るので、俺も座った
慶「貴久君は……大学時代の友人で少しの間だけど、付き合っていたの」
母さんは下を向きながら工藤さんとのことを話してくれた
慶「でもそんな中、私は孝治……あなたのお父さんと知り合って
お父さんに惹かれていったの
だから貴久さんとは別れたの
……だけど、貴久さんはしつこく私のことを付きまとうようになって……」
母さんはとうとう両手で顔を隠してしまった
翔「母さん……」
慶「翔……信じてほしいの
貴久さんとは何もないわ!お金を借りた覚えはないし、栞はあなたの妹よ!」
翔「信じて……信じていいんだよね!?」
俺がそう言うと母さんは頭を縦に振ってくれた
翔「よかった……本当によかった………(笑)」
慶「翔、今度貴久さんが来てもすぐに逃げなさい!
テキトーなこと言って私たちを揺さぶってくるだけなんだから!」
翔「分かった……(笑)」
俺はそう言ってお茶を飲むと、疲れがグッと来たのかフラついてしまった
翔「あっ、ごめん母さん……疲れちゃったから少し寝るね?」
慶「分かったわ、私は家にいるから何かあったら言いなさい(笑)」
母さんは笑顔でそう言った
これだ……
その温かさが母さんなんだ
工藤さんが言ってることは間違い
母さんが言ってることは真実なんだ
俺はそう思いながら、部屋に入った
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