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だが、不意に口に流れていた『何か』を感じなくなった瞬間、彼女からの離脱をしようと、もう一度腕に力を入れる。
すると今度は力の方向が床をしっかりと押し、その力の加えた腕は自分の身体を持ち上げて、彼女から離れることが出来たのだ。今までのが俺の嘘だったかの様に簡単に身体が少女から離れてしまった。
俺は手で口を抑えながら、少女と俺達を囲むように燃え上がっている青い炎を見る。
(いったいなんなんだ!? )
頭には疑問が浮くばかりで、何故か俺の視界はユラユラと揺れ、まっすぐ前をみているのか分からない状態だった。
暫くするとゆっくりと周りの青い炎は何事もなかったかの様に何も燃やした気配なく消えていった。
それと同時に、少女の髪の煌めきも弱くなり、色も濃い紅蓮色から元の淡い朱色に戻って、ツノも何処かに消えたいた。
ずっと開いていた曇った目にもゆっくり輝きが戻ったと思った瞬間、直ぐに目を閉じて少女はガクリと首を落とし、気絶した。
俺はそこまでの光景を揺らめく視界の中、確認していたが、直ぐにバランスを崩して少女の横にバタリ倒れると、段々と視界が霞んでいき、目の前が真っ暗になった。
さっきの気絶から全然時間も経っていないのに俺はまた気を失った。
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