99人が本棚に入れています
本棚に追加
「は? 」
今程ラミエールから飛び出した謎の言葉に耳を疑う。
「魔王………へ?……」
「ですから、『魔王様の魔王直下部隊序列25位』です。」
……デンパさんですか?
こんなうるわしゅう女性がデンパとは……いや、それもアリ?
「はぁ、何だってんだよ……」
聞き直しても理解できなかった彼女の言葉にため息をつく。
今しがた、分けのわからないキスから目が覚めたばかりであってかなり混乱していた。
(はっ!……もしや、これは妄想?……望まない、あんな怖いキフした後だから、俺の脳が俺に癒しを!?……でも、俺って年上派じゃないんだが……。)
と、とりあえずラミエールの身体をじっと見る。
(ふむ、胸は結構あるんだなぁ……にしても、そこだけだな好きな部分って……。アニメなら銀髪より金髪派だしそれに年上より年下派だしな。………)
「妄想ならもうちょっと真剣に出てこいよな。」
「誰がですか!」
軽くの冗談のつもりが、案外ピシャリとキツく言われた。怖い。先生、許して。
「わたくしは魔王様の近衛部隊の魔女です!」
ラミエールは誇らしげにそう言う。
「あのさぁ、魔王なんて……」
俺はそこで言葉を止める。
(魔王?……なんか今日どっかで同じようなのを聞いたな……。いや、あった。あの少女だ。あの角の生えた赤い髪の少女だ。)
と、その時勢いよくリビングのドアが開き、今頭に浮かんだばかりの少女が飛び込んで来た。
「ラミエール! 大変なのだ!服が出ないのだ!」
「あっ、魔王様!今来ては……」
「え?」
その少女の姿はさっきとは違うが、ただ胸のあたりにバスタオルを巻いているだけなので変わっていないといえば変わっていないかもしれない。
そんな格好の少女と目が合う。
少女は顔を赤くしながら直ぐにドアの向こうに急いで隠れ、顔だけヒョコッと覗かせて、俺を指差す。
「ラミエール!!へ、変態がいるぞ!やっつけろ!」
少女の言葉を受けて、「え? 」と驚きこちらを向くラミエールに、苦笑いでしか返せなかった。
へ、変態じゃないですよ?
最初のコメントを投稿しよう!