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「じゃあ、あんた達は人間じゃないのか?」
「そうだといっておろう。しっかり聞け、この変態。」
と、魔王であるらしい少女はやれやれと首を振る。
「じゃあ、何で次元間? なんてとこにいたんだ? 」
俺は何故か堂々としている少女に少し苛立ちを覚えながらもそう質問する。
「『次元間』とは世界と世界の狭間。つまり、何もない空間のことです。」
と、答えたのはラミエールだった。
ラミエールの膝の上で偉そうにしている魔王はラミエールが喋るのが当たり前かのように、何も動じていない。
「世界と世界? なんだ? その世界って...... 」
「世界はこの世界、『人間界』の他にわたくし達の『魔界』と『神界』と呼ばれる全部で三つの世界が存在するのです。それを『並行世界』と呼んでおります。」
ラミエールはさらに続ける。
「もう一つ説明しておきます。わたくし達が次元間にいた理由ですが、それは『神界』との『次元間戦争』によって『魔界』が奪われてしまったからです。」
「戦争って……」
戦争とかいう単語には驚かずにはいられなかった。
「戦争はわたくし達が『ハート』と呼んでいる存在をめぐって起きました。」
ラミエールは少し暗い表情になったように見えたが、直ぐにまた口を開ける。
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