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……………
「うっ……」
(頭がガンガンする。……あれ?なんで倒れたんだっけ? )
痛む顔を押さえながら、ゆっくりと起き上がる。
顔を上げ、壁に掛かっている時計を確認すると針は午後1時半を少し越えていた。
確か……お土産が入ったダンボールのを片付け終わったのが12時半近くだったはず……。
あ、やっべ、約1時間もなぜ気絶していたか記憶に無い。
一旦顔を洗って落ち着こう。ダメだこれは。頭いてぇや。
床に散らばったダンボールを集めるのは後にし、顔を洗うために部屋を出てゆっくりと階段を下始める。
(確か……さっき何かあって……気を失って……何かってなんだっけ?)
と、その階段の途中で開かれたダンボールが落ちているのを見つけた。
「ん?……誰だよダンボールなんて広げたやつ……って俺しかいないか……。」
拾うのはめんどくさいので、どうせ帰りに広うことにして、階段を下まで降りる。
下に辿り着き、しばらくフラフラと歩き、ドアを開けると、そこは洗面所ではなくリビングだった。
つまり、殆ど考えずに歩き、いつもの癖でリビングのドアを開けてしまったのだ。
普通は「俺何やってんだろ……」とため息をつき、引き返して洗面所に向かっただろうが、出来なかった。なぜなら、そこはもう……まさに惨状だったのだ。
片づけたはずの本や小物が散らかり、リビングに二つあるソファも後ろに倒れ……とにかく部屋は散りに散らかっていた。
「なんだよ…これ?…」
あまりの酷さに目を疑っていると、通ってきた廊下を少し戻った所にあるドアの向こう……まぁ、そこは本来行きたかった洗面所のドアなのだが……そこから、勢いよく水の流れる。
「げっ!……おいおい…マジかよ。水道代が…」
俺は急いで焦りながら洗面所のドアまで走り、勢いよく開ける。
「……!?……」
そこには淡い朱色の髪の少女が風呂場のドアも閉めず、勢いよく流れ出るシャワーの水を気持ち良さそうに浴びていた。
「ん?」
少女はこちらの気配に気づいたのか振り返る。
そして俺と目線が合う。
本日二度目。こんな美少女と視線が合うとドキッとするのは学校だけの話。イマハ、ヤバイ。
一瞬のきょとんとした表情の後、少女の顔はすぐに赤くなっていき、キッと俺を睨み、急いで両手で胸を隠す…。
「…お前っ!……くっ、気を失っておるかと思えば、油断した。…一度ならず二度までも…私の! は、裸を見ようとは…!」
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