お届けもの

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「なぁ、お前ほんとに名前無いの?」 「うん・・・・」 「マジかよ・・・・」 「趣味は?」 「知らない」 「特技は?」 「知らない」 「1+8は?」 「9」 引っかかんねぇのかよ。 「はぁ・・・まぁ預かってくれって言うんだから追い出すわけにもいかねぇしなぁ」 「私、追い出すの・・・・?」 「追い出さないって」 しかし。 確かにコイツ可愛いな。 髪は背中くらいまでの赤茶、顔は少し幼げだがどこか大人っぽい印象もある。 背は・・・160くらいか。 「そんなにじろじろ見られると照れる・・・・」 「いきなり素っ裸でうちに来たくせに恥ずかしいって感情はあるのな」 「あなたの名前は?」 スルーかよ。 まぁいいや。 「ん、俺は秋嶺宗佑」 「うん、そーすけ」 「おう」 「そーすけ」 「なんだ」 「私の名前は・・・・?」 「知らん」 「付けて」 「マジかよ・・・・」 名前付けろって言われても・・・・。 犬や猫じゃあるまいし人間だぞ? そう簡単に思いつくかっての。 「んー・・・・」 「そーすけ、なまえー・・・・」 ダンボール姫が俺の服を引っ張る。 「わあっかったからっ!近いから!」 名前名前名前・・・・ あ。 『その子は雛鳥のような子じゃ』 雛鳥・・・・。 「よし、決まったぞ」 「うん・・・何・・・?」 「お前はな」 「『ひな』だ」
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