お届けもの

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「・・・・・ひな?」 「うん、ひな」 「・・・・・」 な、何だよ、気に入らないのか・・・? いや、確かにテキトー過ぎだとは思うが、悪くもないと思ったんだが。 「・・・・嫌か?」 「ううん、可愛い」 「そうか。なら良かった」 「ひなー・・・」 「それ自分の名前だからな」 よとりあえず名前は決まったけど・・・ 「部屋どうすっかなぁ」 「どこでもいい・・・・」 どこでもいいって言ったって。 女の子を居間のソファーに寝させるわけにもいかないし。 家には俺の部屋と妹の部屋と両親の部屋・・・・ あ。 「お前はうちの親の部屋で寝ろ」 「・・・どこ・・・・?」 ついてこい、と促すとてくてくっと俺の後を付いてくる。 本当に雛鳥みたいだな。 そして階段を上がって両親の部屋に入る。 「すこし散らかってるけど今日からここがお前の部屋だ」 「うん・・・・」 「散らかってんのが気になるならテキトーに片付けちゃっていいから」 「うん・・・・」 「布団は押入れにあるから」 「うん・・・・」 「ほんとにわかってんのかよ・・・それじゃ後はテキトーにくつろいでな」 「うん・・・・」 うん、しか返ってこねぇ。 本当にわかってるんだろうか。 右から左に受け流してるんじゃないのか。 「それじゃ飯用意すっから下に降りて来いな」 「うん・・・・・」 うーむ、これは絶対何かしら苦労するパターンだよな。
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