お届けもの

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「・・・・・」 おいおいおいおいおい。 違う意味でヤバイもん入ってたよ。 何これ、え?、何、どうすればいいの? 「すぅ・・・・・」 ダンボールの中で気持ちよさそうに眠っていらっしゃるし。 何だよ白雪姫?いやダンボール姫? 「いやいや、まず落ち着こう」 ここは冷静に考えて分析しよう。 「できねぇよっ!」 もうパニックだよ、落ち着けるわけなんて無いだろ。 「ん・・・・・・・?」 「ビクッ」 やっべぇ、目覚ましたかも・・・・。 え、え、え、え、まずなななななんて言えば。 「うぇ・・・・・ここどこ・・・・?」 きょろきょろとあたりを見回すダンボール姫。 「ん・・・・・」 「あ」 目が合った。 「や、やぁ」 「・・・あなたは誰?」 こっちが聞きてーよ、オイ。 「えっと・・・ここの家の住人だけど・・・」 「これはこれはご丁寧に・・・・」 「あ、いぇいぇ・・・」 「じゃねぇよっ!」 いいやもう問い詰めちまえっ! 「ねぇ、君は誰?!なんでダンボール箱?!ってか何で家に?!」 やばいパニクってて一気に質問しちまった。 「私は・・・・名前、無い・・・」 「だんぼーる・・・?あ、この箱・・・・知らない」 「知らない」 おぉっと、これはマジどうしたらいいかわからないぞ。 警察?いや、警察に言ったところでどうなる。 この子の住んでる場所を探す?いや、それにはコイツが頼り無さ過ぎる。 「って名前無いの?!」 「うん・・・・」 なんてこった。 これは記憶喪失か? 名前も思い出せずここに来た理由もわからない。
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