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『よかったぁ…♪』
これでひと安心。
「まずっ」とか言われたらどうしようかと思った。
北乃「うまかった。」
すでに空っぽになった箱。
もう平らげてくれた。
「よかった♪」
北乃「以外だよね、料理出来るなんて。」
ははっと笑って、ふたを閉じた北乃くん。
リンゴが繋げた私の恋。
到底、思いが繋がる兆しはないけど。
北乃「帰りますか?」
「そーですね。」
私のあげたラッピングされた空っぽの箱をブラブラぶら下げて、いつもの距離感で歩き出した。
北乃「ありがとうございました。おいしかったです。」
「こちらこそ、食べてくれてありがとうございました。」
北乃「お前のメール風(笑)」
「んもうっ!いいからっ。メール苦手なの。」
?「おーい。神崎ー!」
北乃「ん?おぉ、省吾。」
だ、誰ぇ……(汗)
この人、凄いゴツいんだけど…
なんか、ボディーガードみたい。
省吾「あっ、彼女?」
「あっ、ぃぇ……」
なんだか萎縮しちゃって、声超ちっちゃい…(汗)
北乃「省吾、怖がってんぞ。」
省吾「マジ?なんでなんで?」
やっぱりこの人苦手だ…
北乃くんの後ろに隠れる。
北乃くんは笑ってるけど、私、結構本気で怖いんだけど…
北乃「大丈夫大丈夫。」
省吾「ごめんな、悪いやつではないから。」
こちらこそごめんなさい…
なんて、言えないよ…
省吾「あぁ、俺バイトだから。」
北乃「じゃあな。」
軽く走っていった省吾さんの後ろ姿を北乃くんの背中越しに見つめる。
ひどいことしちゃったなぁ……
北乃「そんなに怖かった?」
心配そうに私を覗き込むと、優しく頭を撫でてくれた。
優しくしないで…ドキドキするから。
「ごめんなさい…」
北乃「まぁ、そういう人もいるよね。」
なんかね…ただ怖かったの。
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