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そして、14日。
私はこの日を1ヶ月楽しみに生きてきました。
『って、人多過ぎっ。北乃くんのこと見つけられるかな?』
会えずに帰るなんて、地獄に落ちる気分だろうな…
北乃「…ポチ?」
ずっと聞きたかった声に振り返ると、北乃くんは私のことを舐めるように見ていた。
「なっ、なに…?」
北乃「かわいーなと……思いまして。」
顔真っ赤になってるよ、私。
こんなの、耐えられる気がしない。
だって、待ちに待ってたんだもん。
北乃「真っ赤(笑)」
「///」
神様お願いっ!
どうか、今日の花火大会で私のボロが出ちゃいませんように。
北乃「行きますか?」
「そーですねっ!出店行こ?」
北乃「うんっ。」
「あ。」
北乃「ん?」
歯切れのいいおじさんたちが「いらっしゃい!いらっしゃい!」と私たちを呼ぶ中に、この恋のキューピッドが見えた。
「リンゴ飴っ!」
北乃「食べよっか。俺も食べたい。」
嬉しそうな横顔を見つめながら、100円をおじさんの手の上に乗せた。
「~♪」
北乃「ご機嫌だね(笑)」
「リンゴ大好きっ。」
今までは普通に好きだったよ。
今は…食べ物の中で1番好き。
北乃くんとの、恋の象徴。
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