優しさに包まれて

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教室に入ると、もう人がガヤガヤしていた。 指定された席に座って、後ろを振り返ると桃ちゃん。 「運命だよねー。同じクラスになれたなんて。」 「私もそう思うっ!」 「名前聞いてもいい?よかったら、メアド交換しない?」 ショートカットの女の子が私達2人に話しかけてきてくれた。 少しこんがり気味の肌が彼女の魅力を一層引き出している。 「いいよー。私はね、斎藤桃。よろしくね。」 すぐに携帯を取り出す桃ちゃんに、私も負けじと追っかける。 「北野七海です。よろしくね。」 「私は、渡辺ほのか。仲良くしよーね。」 ほのかちゃんは次から次へと友達を作っている。 社会性とは彼女のためにあるのかもしれない。 ガラガラ… 扉が開いて、入ってきたのは大きな男の子たち。 『高校生にもなると、こんなに背が高くなるのか……』 ちょっと感心。 でも…中身は子供だったりするよね。 「おい、北野ー。」 「は、はい!?」 みんなが「は?」っていう顔で私を見てる。 でも今、「北野」って…はっきり聞こえましたけど… 「北野行こーぜ。」 ん? 私以外にも「北野」がいたのか… てか……… 『超恥ずかしー…』 「七海ウケるんだけど(笑)」 「なんか…間違えた」 お腹を抱えて笑う桃ちゃんに苦笑いで対向するしかなかった。 初日から最悪の失敗を侵してしまった。 「七海ー!超よかったよ、今の(笑)」 大笑いでやってきたほのかちゃんにも同じく苦笑いで対向するしかない。 1つよかったのは、そのおかげで他にもたくさん友達が出来たこと。
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