3人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
北乃「なに……?」
北乃くんのその言葉でふと現実に帰る。
「あっ、ごめんっ!またねっ。」
北乃「何か言いたそうだけど?」
まさか、こんな形で初会話すると思わなかったんだもん。
ノープランだし、ちょっと機嫌悪そうだし…
「学校…来てるなら、教室来ればいいのに。」
北乃「教室に行くまでが面倒なんだよね。」
この人…極度の極度の面倒くさがり屋さん。
もう、致命的な域に達しているかも。
「私の名前、知ってる?」
なんでこんなこと聞いてるんだろ…
同じ名前だから?だから何よ。
そんなのただの偶然じゃん。
北乃「北野……北野…なな…わかんね。」
「惜しかった。」
思わず笑顔になった。
少し嬉しかったから。
七海のななまで出たことが。
北乃「んーーっ……」
急に起き上がって伸びる北乃くん。
なんか…可愛い♪
北乃「七海ちゃんだ。思い出した。」
「うん!そう!」
なんだか嬉しくて胸がぽかぽかして、たくさん笑えました。
北乃「俺の名前は?」
「神崎北乃くん。」
迷いなく答えた私に、北乃くんは「完璧っ。」と笑ってくれた。
もっと無口なのかと思った。
もっと可愛くないのかと思った。
もっと優しくないのかと思った。
最初のコメントを投稿しよう!