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怯えている?
なにに?
怯えている?
誰に?
過去?
それとも現在?
なんで俺がわかないことをこいつが分かったような口ぶりで言葉にできる?
なんで傷みを理解しようとしないくせに傷みを知ってるような言い方をする。
「俺の傷みを....
苦しみを知らないくせに知ったように言葉にするんじゃねえ」
声も体も震えてるのが自分でもわかった。
自然と自分の右手を庇い小雪を睨みつける。
そうだ....
俺はずっとあの日に怯えている。
周りから見たら女々しいと思うだろうか?
馬鹿だと思うだろうか?
けど、忘れることのできない傷み。
自分じゃもうどうしようもできないくらい深い。
俺の闇はここから始まったんだ。
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