28人が本棚に入れています
本棚に追加
開かない。
ガチャガチャと取っ手を回してみたが鍵がかかっているようだ。
「きっと係の人が鍵を持ってるんだね」
息子は最近、小学校に入学したばかりですべてのものに『かかり』をつけたがる。
「そうだね。お掃除係のおじさんがいるんじゃないかな。」
お父さんは微笑ましく思いながら息子に目を向ける。
しかし息子は目をキラキラさせながら答えた。
「違うよ!宝物係だ!」
そう言うなり、ぴょんぴょん飛び跳ねながら砂場へダイブする。
「たからもの!たからもの!」
服を汚したらお母さんが怒るぞ、と苦笑しながら尋ねた。
「宝物って誰のだい?海賊か?砂場海賊め!」
お父さんにくすぐられて息子はじたばたしながら叫んだ。
「こどもおじさん!!」
最初のコメントを投稿しよう!