串の町4丁目

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開かない。 ガチャガチャと取っ手を回してみたが鍵がかかっているようだ。 「きっと係の人が鍵を持ってるんだね」 息子は最近、小学校に入学したばかりですべてのものに『かかり』をつけたがる。 「そうだね。お掃除係のおじさんがいるんじゃないかな。」 お父さんは微笑ましく思いながら息子に目を向ける。 しかし息子は目をキラキラさせながら答えた。 「違うよ!宝物係だ!」 そう言うなり、ぴょんぴょん飛び跳ねながら砂場へダイブする。 「たからもの!たからもの!」 服を汚したらお母さんが怒るぞ、と苦笑しながら尋ねた。 「宝物って誰のだい?海賊か?砂場海賊め!」 お父さんにくすぐられて息子はじたばたしながら叫んだ。 「こどもおじさん!!」
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