串の町4丁目

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ゾウとネコとウサギだ。 動物の形をした子ども用の乗り物で、下にバネのようなものが付いており地面で固定されている。 「バネのやつ」 「なんだそれ」 「おい、あんまりやると壊れるぞ」 公園に入って田辺はさっそくそれに座っていた。田辺が前に体重をかけると、みしりとバネが鳴った。 「お、結構楽しい」 大学生が子ども用の遊具に、しかもファンシーなピンクのゾウにまたがって揺れているのは相当見苦しい。 おまけに田辺は体格がいいので錆びて古くなったバネが今にも限界に達しそうだ。 「壊したら器物損壊罪だぞ」 幹介は砂場の縁に移動して2人の様子を見ていたが、黒田までもがおふざけに加わり、今度はゾウの鼻の上に乗り出した。 田辺がゾウの鼻の上でバランスを取りながら、黒田が揺らす。途端にバランスを崩した田辺が叫び声をあげた。 絶対に壊すだろうな… 幹介はぼんやり思いながら砂場に目を向けた。
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