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秋奈は泣き腫れた目を隠してすぐに家に帰った。
彼に連絡を取るためではない。
気持ちを切り替えるために。
埃をかぶっていたラケットを取り出し、運動着に着替える。
ずっと待ってた―――
彼の言うように、あたしはずっと待ってた――。
言いたいことはいっぱいある。
聞きたいこともいっぱいある。
でも……
あいつが会いたいのは、今のあたしじゃないよね。
そう心の中で呟き、彼女は今までにない……
いや、高校生以来の力強い足取りで未来への道を歩きはじめた。
この後、彼女がプロになり、彼に再会できたのかは―――
語るまでもない事だろう。
【佐波山秋奈 Happy End Route】
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