一章 魔法師と化石少女

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 「そんな意地悪を言わんで下さい法師様~。どうかお力で神を降臨させ我が村をお救い下さい!お願いしまする~」  先頭にいる代表格らしき老人がひれ伏し後ろの村人一同も懇願してくる。  「神ですか…困りましたね」   恐らく原因はあれだろう。食事も済んでいざ労働に励もうと思った矢先に渡された書かされた自分の身元。まあ仕事をするにあたって名前や特技などは重要だし、別に偽る程の身元でも無いので気軽な気持ちで様々な項目を記入した。  名前:フーリ  出身地:生まれた時から風来坊  特技:魔法、魔術  職業:魔法師  青年、もといフーリはあの記入用紙が問題だと確信していた。先程からの話の食い違い。魔法師と名乗ったつもりが法師と勘違いされてしまっているのである。強引な勘違いな気もするが、名乗っている魔法師というのも自分が造った造語であるため説明しようがない。
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