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「・・・綺麗な、お腹?」
「そう、綺麗な、お腹。」
つまり、私の黒くて汚いお腹を、白く、キレイにしてくれる、と。
そうだった、忘れてた。
あまりに話しやすくて忘れていたけれど、この人はあの、"救い屋"さん。
私が欲しかった、
友情や愛情よりももっと強い"繋がり"をくれる存在。
実は私は、自分の腹を割って、洗いざらい話せた事で、すっきりしてしまっていたのだが、
これを逃したら、救い屋さんにもう二度と会えないかも知れない、と思うと、思わず頷いていた。
「・・・・うん、お願いします、救い屋さん。」
救い屋さんは、唇を薄く開いて、微笑んだ。
その目は、相変わらず何色か分からず、一瞬暗くて深い穴が空いているように見えた。
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