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「マスター。できれば、私が異世界から来たということは秘密にしてもらえますか?私は戦う力なんてない、か弱い女の子なので」
「……か弱い女の子が普通、木に穴開けるか?」
「しぃちゃん、食べちゃえ」
「いってぇえ!!いちいちそいつをけしかけるなよ!?」
「……余計なことを言わなければいいんだよ?」ニコニコ
「……はい」
よし、これでしばらく静かにしてるでしょ。
「それでマスター。秘密にしてもらえます?」
「そうねぇ。城で行われた勇者召喚に巻き込まれたんでしょう?まあ、とりあえずは異世界から来たことは秘密にするから安心してね。戦う力なんだけど、学校に行ったらどうせ授業で戦闘訓練があるから、少しは戦えるようにしておいたほうがいいわよ?物騒なことも多いし」
「努力します」
「編入するのに1週間くらいかかるだろうし、服とか日用品とか準備をしなさいね。お金ならカインに出さしたらいいから」
「遠慮なく買わしてもらいます」
マスターだったら少し申し訳ないなと思ったけど、こいつなら問題なし。
遠慮なく買ってもらおう。
「少しは遠慮……」
「くぅん?」
「……なんでもない」
私の後ろでカインが何か言おうとしてたけど、しぃちゃんが人間で言う「ああん?」的な声を出したら大人しくなった。
この子、本当にいい子だわ(笑)。
「それと、あなたを巻き込んだ勇者なんだけどね?どうやらこの国の王女様が一目ぼれしてしまったみたいで、王宮の最高級の客室でもてなされているみたい」
「………」
私一人で森の中に放り出されたあげく、目の前には獰猛なシルバーウルフがいた状況だというのに?
巻き込んだ張本人はお城でリア中満喫?
はっ……。
ふ・ざ・け・ん・な・よ?
「「ひっ……」」
「きゃん……」
カインとマスター、しぃちゃんが固まったけど、気にしない。
とりあえず、学園に行くまでの一週間で覚えれるだけの魔法を覚えてやる。
龍雅……私を巻き込んだこと、後悔しなよ??
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