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◇◇◇◇
ぞっくぅ……。
なんだろう……。
今、すっごい悪寒が……。
「リョウガ様?どうなさったのですか?」
「……何でもないよ、サフィア姫」
僕は悪寒を振り払うと、心配そうに僕を見ていた王女に首を横に振った。
この金髪碧眼の女の子は、フィレンチェ王国の王女、サフィア姫。
僕と同い年なんだって。
訳が分からずこの城の地下に召喚された後から、親切に僕の面倒を見てくれている。
「まあ。わたくしのことはサフィと呼んでくださいと何度もお願いしていますのに」
拗ねたように口を尖らした王女の言葉。
確かに、これだけ大きなお城のお姫様だと、周りもきっと親しくしづらいんだろうな。
「ん~……じゃあ、僕のことも呼び捨てでいいよ、サフィ」
僕が笑いながらそう提案すると、どうしてだろう?
サフィの顔が真っ赤になった。
どうしたんだろう?
地下に比べるとここは暖かいからかな?
「サフィ?どうしたの?」
「な、なんでもありませんわ。リョウガさん、では今からギルドに行って魔力と属性を調べましょう」
サフィがそう言うなり、別室にいたマントを着た白髪の女の人が部屋に入ってきた。
「リョウガさん、こちらはリョウガさんに所属していただくギルド『純白の騎士』のギルドマスターであるネル殿です」
「お初にお目にかかる。私は『純白の騎士』ギルドマスター、ネルだ。君にはこれから我がギルドで検査を行った後、そのままギルドに加入してもらうゆえ、そのつもりで」
なんというか、名前の通り、騎士らしい話し方をする人だなぁ。
「はい。桐ヶ谷龍雅といいます。よろしくお願いします」
ギルドとかよく分からないけど、偉い人には違いないんだから、ちゃんと挨拶しなきゃだね。
「……」
「……ネルさん?どうかしました?」
どうして僕の顔を見て顔を赤くして固まっているんだろう?
顔に何かついてるかな?
さっきサフィと王様が美味しいごはんをいっぱい食べさせてくれたから、ソースとかついてたりする?
「い、いや……なんでもない。では、さっそくギルドに転移しよう(なんなんだ、この胸の高鳴りは……)」
「ええ、さっさとしてください(さっそくライバル出現ですか。リョウガさんは絶対に私が落として見せます!!)」
……なんだろう?
どこからか、(龍雅マジ死ね!)って愛良に言われた気がする。
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