ちなみに、ヘタレ勇者は…

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ネルさんの魔法で一瞬でさっきまでいた所と違う場所についた。 窓がないから地下かな? 大きな机に水晶が二つ置いてある。 「魔法ってすごいんだねぇ」 「転移は無属性ですから、リョウガさんならすぐに使えるようになりますわ」 「一度行ったところ限定だがな。あと、普段なら結界があるから城から転移は使えないぞ?今日はお前のために特別に転移ができるようになっただけだ」 「へ~」 魔法って便利だなー。 「では、測定の前にギルドと魔力について、簡単に説明しておこう。ギルドには依頼によってそれぞれランクで分けられている。魔法学生向けのFランクから始まり、E、D、C、B、A、S、SS、SSS、Zとランクが上がっていく。ギルドメンバーたちはそれぞれ依頼をこなしてランクを上げていくことで依頼の難易度も高くなる。もちろん、そのぶん報酬も高くなるぞ」 「Zランクは現在はギルドに所属する者たちのトップである全帝のみですわ。ちなみに、SSランク以上になると、二つ名をもらえるのですよ。二つ名を持つことができるのは、とても名誉あることですの」 つまり、地道に頑張ってランクを上げていけばいいんだね。 「それと本来なら今日君を召喚する場にそれぞれの属性を極めた帝たちも同席するはずだったのだが、彼らにしかできない依頼もたくさんある。どうやら緊急性が高いものが重なってしまったらしく、帝は誰も召喚の儀に出席できなかった。すまないな(サボったなんて言えない……)」 「お父様は、みなさんが参加できるよう声をかけていたのですけど……忙しいみたいでは仕方ありませんものね」 なんか、そのすごく強い人たちが参加して当然っていうか、僕と会っていて当然っていう言い方なんだけど、僕って魔力があるのかも分からないんだよ? なのに、そんな忙しい人たちを呼んで無駄足だった場合、僕、すっごく怖いんだけど。 その帝の人たちがいなくてよかった…。
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