ちなみに、ヘタレ勇者は…

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とりあえず、お城に戻って王様に会ったら、突然世界を救ってくれって言われました。 「へ?なんで?」 「君は魔王を倒すべく召喚された勇者だ。全属性に希少属性を二つも持っているとは、うれしい誤算。是非ともこの世界を救ってほしい」 「あ、はい。分かりました」 「やはり急には無理か……て、ぇええ!?いいの!?軽っ!?軽いなオイ!?」 特に反論することもなかったから頷いたんだけど、なんか急に王様に突っ込まれた。 「リョウガ君、分かっているのかい?私たちはこちらの都合で君をこの世界に呼んで、さらには命の危険さえ伴う魔王討伐を言っているんだよ?」 なんか、最初の威厳たっぷりだったのが形無しだね。 「え、はい。なんかここに来る前、幼馴染に『これはきっと勇者召喚だから、頑張って魔王を退治してきて』って言われたので、たぶんそうなんだろうなぁと思っていましたから」 ほんと愛良が言うことは当たるよねぇ。 まあ、全部携帯小説からの知識なんだろうけどさ。 「なんと!?その幼馴染は『先読み』なのか!?」 「まあ、(ケータイ小説の知識である意味)先読みしていたんだと思います」 「素晴らしい!もう先読みなんて何百年も現れていないんだよ。是非ともリョウガ君の幼馴染に会ってみたいな」 ……もしかして、さっきの会話、なんか意味違ってた? ま、いいや。 「会えると思いますよ。この世界に召喚されるとき、傍にいたので。はぐれてしまいましたが、ギルドに依頼も出したので、そのうち見つかると思います」 「ならば見つけたら是非とも会わせてくれ!今後のことを聞きたいのでな!」 「……そういうのはさすがに無理だと思うけど、まあ見つけたら連れてきます」 とりあえずは、早く愛良を見つけないとね。 そのあとは学校とかの説明と、魔法の練習、それとなぜかサフィの買い物に付き合った。 学校に編入するまで一週間くらいだったけど、とりあえず魔法は初級、中級は無詠唱、上級なら詠唱破棄で、詠唱してなら最上級まで使えるようになった。 愛良は見つけられなかったけど、大丈夫だよね。 早く愛良に会いたいなぁ…。
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