勇者はヘタレでした。

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「このヘタレー!!男ならか弱い女の子を未知のものから守るぐらいの度胸を見せなさいよー!!」 「愛良こそ!僕よりプリンが大事ってどういうことなの!?」 「私は美味しいものの味方なのーー!!」 あ、やばい。 なんか論点がずれてきたような気がする。 てか、そんなことしている間にも魔法陣っぽいものが近づいてくる……!! 「いーいーかーらーはーなーせー!!」 「ぜーったいに嫌だ!!帰ってこれるかも分からないんだから、絶対愛良も連れて行く!!」 「なんで私までーー!!?ふえーん!!お兄ちゃーーーん!!!」 ついに根を上げて小さい頃みたいに泣き出したら、家がある方向から勢いよく何かが近づいてくるのが見えた。 「「「龍雅てめぇ愛良に何しやがってんだゴルァ!!!」」」 お兄ちゃんたちだ。 しかも、ちゃんとお土産のプリンもちゃんと持っている。 そう認識した瞬間、龍雅に巻き込まれて魔法陣に包まれた私の意識は暗転した。
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