初試合

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分からないことがあったら質問しっつもん。 『……カインせんせー。これって普通の人はできないこと?』 『試合中に念話してくるとか余裕だな、お前』 『だって本当に余裕だもん。で、どうなの?』 『同じ属性を持っていて、なおかつ相手より魔力、コントロールが上回っていることが絶対条件だな。ちなみに、出来るのはせいぜい帝レベルだから、一般人には知られていない』 『あらら……そういうことは早く言ってよね』 『いや、まさか今ここでやると思わなかった。帝レベルでも、度胸がなきゃ難しいから、やれる奴は少ない』 つまり帝たちは度胸がないヘタレが多いんですね。 何なのこの世界。 ヘタレ率多くない? 「貴様、この僕を相手によそ見とは余裕だな!!」 私がカインの方にまで顔を向けていたのが気に食わなかったみたい。 ○フォイ君がギャーギャーわめきながらさらに初級魔法を撃ち込んできた。 それを全部掴むと、自分の魔力を上乗せして一つにまとめる。 「人が他の人と念話しているときに邪魔しないの。これ返すから」 初級魔法のファイアーボールが10発分+私の上級くらいの魔力を練りこんだから、ぶっちゃけ最上級くらいの威力はあるだろうけど、まぁ最悪カインか先生が割り込んでくるだろ。 てことで、遠慮なくぽいっと○フォイ君に向かって投げた。 「なっ!?ぎゃああ!!!」 ものすごい悲鳴と形相で背中を見せて逃げる○フォイ君。 「はい、死なないように頑張ってねー」 うーん……。 なんか、私ってすごく悪者っぽくない? さてさて。 誰が○フォイ君を助けに来るかな? もうすぐ○フォイ君に魔法が当たるね。 ……あらら? 誰も来ない……?? ドッカ――――ンッ!!!!!
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