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◇◇◇◇
授業が終わり、生徒は全員教室に返した。
俺は一人訓練場に残って、その場に残る濃厚な魔力の残骸を調べていた。
最後にシドウが見せたあの魔法。
他人の魔法を受け止めるだけでなく、それを混ぜ、最後には自分の魔力すらも組み込んだ。
恐らく最上級の威力さえ伴っていた魔法を、今日編入したばかりの子供が、いともたやすく使って見せた。
そしてルディス。
複雑すぎる不死結界の魔法陣など、一介の学生が知っているはずがない。
アレの発動は、魔法陣と膨大な魔力を必要とする。
学園でも使用することはあるが、それは教師が最低5人は集まってようやく張ることが可能な代物だ。
それを、俺が気が付いた時には、すでに地面に正確に描き、魔力も十二分に使って張っていた。
そちらに気を取られていたから、フォーイの奴を助けにいくのを忘れていたんだが。
……決して、言い訳ではないからな!
はぁ……あの二人が優秀なのは魔力相殺の結界を張れただけでも分かっていたが、俺の予想以上に優秀過ぎだ。
なんか、めんどくさくなりそうな気がしてしょーがねーよ……。
いや、優秀なのが俺のクラスに入ってきたのは嬉しいことだがよぉ……クラスの平均が上がれば俺の給料も上がるし。
だがなぁ……なんというか、優秀なんだが厄介ごとを引き寄せるのも優秀な台風の目って気がしてしょーがねーんだよ。
特にシドウが。
(↑その勘、悲しいほど当たっています、先生【byカイン】)
……なんか、今誰かに同意された気が……。
とりあえず、職員室に帰るか。
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