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そのせいで元居た部屋に帰る事が出来なくなった。でも、そのお陰で色々な場所に同じ様な部屋がある事が分かる。中にはスライムが犇めいた部屋もあるが、宝箱が置いてある部屋もあった。
「‥‥木の棒。はぁ‥」
宝箱は部屋の中央に置かれて如何にも怪しく、罠ですよと言わんばかりだと思う。開けたらミミックで噛み付かれたり、爆発しないか不安になってくる。
代わり映えの無い石造りに囲まれ、食料も無くいつ死ぬかも知れない状況だし、と非常に興味が惹かれた。すると中には60cm程の握り易い木の棒が入って居て、取り出して手に取ってみても只の木の棒。スライムでも倒せってか?
そんな考えに溜め息を吐き、心の底から帰りたいと願った瞬間。唐突に頭の中に声が響く。
【スキル情報更新】
《条件を満たした為、指輪1を習得致しました。条件を満たした為、打撃1を習得致しました。条件を満たした為、帰還を習得致しました》
【スキル発動】
《スキル帰還が発動されました。ホームに帰還します》
「‥‥は?」
考える暇も無く視界が歪み、気付けば石に囲まれた部屋に居た。しかも内装が随分様変りしている。
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