高杉晋作

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「オー! ソコノミニマムボーイ!! ミーノスペシャル、キュート、ベリシャースナオテントウサママルハイラナイカーイ?」 ……ん? 何て言った? 「オー! ユーヨユーヨ! ミニマムナユーヨ!!」 「ちょちょちょちょーい!! 晋ちゃんにミニマムは禁句だってば!!」 「ミーハホントーノコトイッタマデネ! ユーハミニマーム!!」 「だからー!! 身長が低い的なこと言っちゃ駄目だってぇぇぇ!! 晋ちゃんは身長が低いの気にしてるんだからっ!!」 「……伊藤殿。伊藤殿も言ってしまってるじゃないですか」 「ンー? ミニマムハヒクイイウネ?」 「しー!! 晋ちゃんにばっさり斬られちゃうからぁぁぁ!!」 「お二人とも斬られますね」 ああ。 ちゃんとしっかりばっさり、二人とも斬ってやるよ。 他の奴等よりすこーしだけ低い俺の身長に白昼堂々騒ぎ立ててやがって……。 天が許そうとも!! この高杉晋作様は許さん!! ……て、俺が気になったとこはそこじゃねェわ!! 藩の命で薩摩藩に行くようにと命じられた俺と、松下村塾からの付き合いの伊藤俊輔という男。 それと、薩摩に行くなら自分も連れて行ってほしいと申し出た、寺島忠三郎という男。 無類の女好きの俊輔と、玄瑞を昔から慕っている若干の幼さを顔に残した忠三郎。 三人並んで薩摩に行く道がてらに、長崎に寄ってみて。 空から降り注ぐ陽の光をきらきらと反射させながら輝き、岸に飛沫をあげざぁっとした音を鳴らしながら波を打ち寄せる海の見える海岸を歩いていりゃァ。 海とは違い、陽の光を弾くんじゃなくて吸い込むような金の色の髪をし、空と海の中間にあるような青色をした目ェをした陽気な異人が俺目がけて声を飛ばしてきた。 弾みまくった異人の言葉の中に強烈に引っ掛かる言葉があったような気がして、俺は歩む足を止め。 ぎゃァぎゃァと騒ぎ煩せェ俊輔と異人を見た。 忠三郎は騒ぐ二人に呆れて数歩離れた位置で、呆っと海を眺めていて。 俺はというと 「ミニマム! ミニマムハヒクイイウコトネー!! ミー、ヒトツニホンゴ、オーボエタネー!」 「だーかーら!! 晋ちゃんに低いって言っちゃ」 「いい加減うるせェんだよ!! てめェの身長を削って俺が貰ってやるわァァァ!!」 「削ってって、それって俺の身長!? し、晋ちゃん!? や、止めてぇぇぇ!!」 俺を低い低いと言っている俊輔を海にと投げ飛ばした。
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