2月17日――キミにしか聞けないこと

5/12
前へ
/384ページ
次へ
【通話】に伸びかけた指が、緊張で震えた。 この電話が、何のために掛かってきたのか分からない。 結局ボクたちは友達にすら戻れないという、最後通告を言い渡すためかも知れない―― ……否!! それでもボクは。 そんなのは、嫌だ。 【あんなコト】くらいで――、純平を失うのは、嫌だ。 【通話】を押す。 携帯を耳に当てる。 話をしなければ。 今、ちゃんと、向き合わなければ。 『――……おう』 「……うん」 気まずいのは、お互い様。 きっと純平の方が、辛い。 『……1人?』 「うん」 苦しまないでって、助けてやりたいって、あんなに強く思っていたはずなのに。 最後に追い詰めたのはボクだった。 『なぁ、アレさ……木曜日の、アレ』 「……うん」 心臓をギュッと握られたような痛みが、胸に走る。 『やっぱ、なかったコトになんか――、出来ねぇみたい、俺』
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加