3人の世界――そう言えばこの日、すでにフラグは立っていた

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ボクと生徒会長が両想いだとかいう、寝耳に水なとんでもない噂が学校中に飛び交ったのは翌日のことで。 ひょっとしたら生徒会長の元カノとやらの本当の用事はそれだったのかもしれない。 ボクはボクのファンを自称する女子軍団の追究から逃れるのに必死で、美紗はボクをかくまってくれたけど、純平は腹を抱えて笑った。 「せっかくだから付き合っちまえば」 「なんでだよ。しゃべったこともないのに」 「ちょっとは女性ホルモンが増えるかもしれねえし」 「……ボクが女の格好をして、女の言葉をしゃべったら、純平嬉しい?」 「うーん……、キモい?」 純平は、たっぷり30秒くらい考えてからそう言った。 美紗がぺちっと可愛らしい音を立てて純平の額を叩く。 付き合うかどうかは別問題だけど、と前置きし、やっぱり美紗はボクに、もう少し女らしくしろと注意する。 いつも通り純平の部活が終わるのを美紗と2人で待っている図書室に、噂の生徒会長が現れたのはそのさらに翌日のことだった。
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