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2月17日、日曜日。
明日から、学年末試験が始まる。
それから――、美紗や純平と、顔を合わせずに済んだのも今日まで。
きちんと話を、しなければ。
……ああ、出来ることならそういうの、テストが終わってからがいいんだけどな。
美紗の問題も純平の問題も、解決は早い方がいい。
分かってはいるけど、――だって、テストは待ってくれない。
ボクのちっさい脳ミソは、全部を同時になんて処理出来ないのだから。
自分の部屋に戻り、机に向かう。
夕飯までちょろっとだけ明日のテスト科目の最終確認をして、先輩の助言どおり今日はさっさと寝てしまおう、と参考書を開いた。
充電器にさしっ放しで放置していた携帯が震えたのは、ちょうどその時。
――着信?
手に取った携帯の画面に表示される名前は
【高岡 純平】
ああ、どうやらアイツは、ボクのキャパシティを正しく理解出来ていないらしい。
せっかちな純平らしいというか……。
テストが終わるまでなんて、待ってくれるワケなかったか。
震動を続ける携帯を握りしめて、開いたばかりの参考書を閉じた。
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