2月17日――キミにしか聞けないこと

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脳天から背筋にかけて、得体の知れない衝撃が走り抜けていった。 ――なかったコトにしよ―― ――ボクも忘れるから―― なかったコトになんか、出来ない? 「そ、れは……ッ」 どういう――? 『簡単に忘れられるワケねぇだろ、あんな……』 機械越しの会話は、顔が見えなくて 『お前は本当に忘れたのかよ』 怖い。 『忘れられるのかよ』 純平の気持ちが、見えない。 「でも……だって」 『おかしいだろ』 「なに、が」 『じゃあなんで、お互い目ぇ逸らし合ってんだ』 見えない。 分からない。 ――怖い。 『なかったコトになんか出来ねぇんだよ』 「じゃ……、どう、すんの」 声が震えるのが、緊張なのか、恐怖なのか、ボクにはもう分からなかった。
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