~秀多~ 突然交わした約束。

1/5
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ

~秀多~ 突然交わした約束。

「秀多ー! 拓哉ー! どこだー!」 と叫ぶ友達。 そう、俺は今、罰ゲームをかけた隠れんぼをしている。 なんでこんなバカバカしいことやっているかと言うと ちょっと前に遡る。 「なぁなぁ! 秀多がため息ついてんぞ!」 「お! 恋のため息か!」 「からかいに行こうぜ!」 「いいな! それ!」 その時、俺は思い悩んでいた。 一目惚れしてしまった女子に告白するべきか しないべきか。 その子はこの学校で、マドンナというほどの 美人な子だった。 俺が高校2年の時に転校してきた子で、都会暮らしなのに派手じゃなく むしろ「どこの国からきたの?!」と言いたくなるような 綺麗なブロンド髪で、流れるようなロングヘアー・・・ そして、白く輝く肌に焦げ茶色の大きな瞳。 誰もが見ても美しいと言えるような子。 そんな子に、平凡すぎる俺が告白できるわけがない。 それをいいことに拓哉と慎也がからかいに来たのだ。 そう、そこからこんな バカバカしい隠れんぼが始まり、今にいたる。 「罰ゲームとして好きな子に告白しちゃおうぜ!」みたいなノリで。 俺は、山を登って 見つからないだろうと トンネルの中に入ったのだった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!