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~秀多~ 突然交わした約束。
「秀多ー! 拓哉ー! どこだー!」
と叫ぶ友達。
そう、俺は今、罰ゲームをかけた隠れんぼをしている。
なんでこんなバカバカしいことやっているかと言うと
ちょっと前に遡る。
「なぁなぁ! 秀多がため息ついてんぞ!」
「お! 恋のため息か!」
「からかいに行こうぜ!」
「いいな! それ!」
その時、俺は思い悩んでいた。
一目惚れしてしまった女子に告白するべきか
しないべきか。
その子はこの学校で、マドンナというほどの
美人な子だった。
俺が高校2年の時に転校してきた子で、都会暮らしなのに派手じゃなく
むしろ「どこの国からきたの?!」と言いたくなるような
綺麗なブロンド髪で、流れるようなロングヘアー・・・
そして、白く輝く肌に焦げ茶色の大きな瞳。
誰もが見ても美しいと言えるような子。
そんな子に、平凡すぎる俺が告白できるわけがない。
それをいいことに拓哉と慎也がからかいに来たのだ。
そう、そこからこんな
バカバカしい隠れんぼが始まり、今にいたる。
「罰ゲームとして好きな子に告白しちゃおうぜ!」みたいなノリで。
俺は、山を登って 見つからないだろうと トンネルの中に入ったのだった。
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