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(いよいよだ……)
ラボラトリでメディカルチェックを受けた十村弥生(とむら やよい)はエレベーターの中にいた。これからエントランスへ向かうところである。つまり、これからゴッドイーターの第一歩を踏み出すのだ。
「どうした?まさか緊張しているわけではないだろう」
そう言うのは実地演習などでお世話になった雨宮ツバキだ。フェンリル極東支部の支部長代理の補佐を務めていると同時に、極東支部のゴッドイーターの教官でもある。
「……少しだけ緊張しています」
弥生がそう言うとツバキは微笑した。
「正直だな。まあ、ゴッドイーターだからといってピリピリしているわけではない。そのうち馴染むさ」
話しているうちにエレベーターが目的の階に着き止まった。
「何か聞きたいことはあるか?」
「いえ、ありません」
「いい返事だ」
エレベーターのドアが開き、弥生はエントランスへ入っていった。
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