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「おっ!来た来た来た来たあぁぁぁ!!」
エントランスに入ってすぐ、黄色の帽子を被った男子がそんなことを言って弥生は少し驚いた。
「ちょっとコウタ!いきなりここの印象を下げるようなことしないで下さい」
「ひでぇ言われようだ……」
そんなやり取りをしている二人のほかにもエントランスには何人か集まっていた。
「野次馬のようにここにいる時点でお前も一緒だぞ、アリサ」
ツバキにそう言われるとアリサと呼ばれた女性は赤面して俯いた。
「まったく。しかし、ほとんどのものがいるようだな。自己紹介でもしておくか?」
ツバキにそう薦められ、弥生は少し迷ったが、自己紹介することにした。
「本日から第四部隊に配属されることになりました。十村弥生です。よろしくお願いします」
弥生がそう言うとこちらこそ、よろしくという声がいくつも返ってきた。
どんな雰囲気かと思ったけれど、これなら何とかやっていけそうだ。
「よし。あとは同じ部隊の奴にも顔を合わせた方がいいな。巧はどこにいる?」
「巧ならあそこに」
コウタと呼ばれていた男性がエントランスの奥の方を指差す。その先にはソファで座っている三人組がいた。
「あそこか。弥生、行くぞ」
「はい」
ツバキに続いて弥生は歩いていった。
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