バレンタインの朝に

2/11
前へ
/12ページ
次へ
あなたに出会ったのは、入社1年目。 中小企業に就職した私は、当然コピーとお茶の支度。 そんなことばかり振られていた。 でも、それはそんなに嫌じゃなかった。 人の好みを覚えるのは結構得意だし、一人一人のお茶の好みの濃さや熱さ、出すタイミングだって覚えられた。 決して美人じゃなかったけれど、職場で可愛がられなかったわけじゃない。 むしろ、たくさん声をかけてもらったし、先輩の女性同僚からも反感はもたれなかったと思う。 薫子と違って。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加