168人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
入社したその年のバレンタイン、私は営業の宮田智行さんにチョコレートを贈った。
本命チョコだった。
入社して半年もたたないうちに、私は智行さんのことが好きになっていたから。
けれど、その時には薫子のチョコレートが智行さんに渡されていた。
そして、薫子の本命も智行さんだったということ、智行さんも薫子のことが好きだったということ。
それが、その後私が知ったこと。
ホワイトデーにキャンディのお返しはもらったけれど、つき合えなかった。
もう2人は恋人同士だったから。
智行さんと薫子。
お似合いだった。
私より、私みたいな平凡な女よりずっと。
最初のコメントを投稿しよう!