君が不機嫌な理由

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「なぁ、洸!これ聞いた―?」 「は?何だよ…」 差し出された新の携帯に耳を当てる。 そこから聞こえてきたのは―… 『「…ンぁ、あっ…ゃめ、あっ」』 ……は? 「…なんだコレ。」 「なにって、今校内で話題の『エロボイス』♪」 耳に入って来る音声と新の発言に顔をしかめた。 「あっれー、洸ってば意外な反応…」 「は?喜んで飛びつくとでも思ったのか?」 別にそんな盛ってねーよ。 すると新は「違う」と顔の横で小さく手を振った。 「ちゃうって。この声、聞き覚えない?」 「は?」 巻き戻された音声に、もう一度耳を傾ける。 「―っ、!? おい、コレってまさか…」 サ―っと血の気が引いて行くのが分かる。 高くて甘い声…初めは女かと思ったけど、違う。 「おい、この声って…」 「正解~♪コレ、唯人の声らしいわ。」 ドクンと1つ心臓が跳ねた。
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