君が不機嫌な理由

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「こら洸、今変な事考えてたでしょう。」 「はっ!? 別に何も考えてねーよ。」 「…まぁいいです。それで、どうしますか?」 弘斗の声が冷ややかなものに変わる。 その場が凍りつくような笑み。 さすがはNo.2といったところか… 俺も久々に暴れられるのではと笑みが漏れる。 だが… 「弘斗、お前この事知ってたろ。」 「はぁ!?」 「!!」 俺の言葉に新と湊が反応する。 全員がクスッと笑う弘斗を真っ直ぐ見据えて言葉を待つ。 「さすが、よくお分かりで。」 弘斗が肯定したことで新が立ち上がった。 「いつから知ってたねん?」 「愚問ですよ、新。そんなの初めからに決まっているじゃないですか。」 そうだ、 弘斗の情報網は半端じゃない。 いくら裏で秘密裏に事が進んでいても、これだけ大規模に行われていれば容易に知る事ができる。 ―…だからこそ気に食わない。 「なぜ知っていて動かない?」 珍しく湊も気に触ったようだ。 知っていたのなら、なぜもっと早くに対処しなかった? 「なぜって…その必要が無かったからです。」 「は?こんな事許されるわけ―…」 「これは唯人君本人も知っている事なんですよ。」 「「「!!!」」」
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