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そして今日、冒頭に戻る訳なんだが…
「ふぅ。洸、いい加減にしないと唯人君がかわいそうですよ?」
そうだよ!
もっと言ってやってよ弘斗!
大体、怒ってるくせに何で今日も抱きしめたまま動かないワケ!?
「もぅ…怒ってんのかそうじゃないのか、どっちかにろっての。」
そうボソリと呟くと無言でぺシっと頭を叩かれた。
…くそ、地味に痛いし。
「洸、せめて何で怒ってるのかだけ教えてよ…」
それが分からないと、謝る事もできない。
「…本気で分かんねぇの?」
「うん。」
どれだけ考えても理由は分からなかった。おかげで今日はいつもより寝不足が酷いんだよ…
少し悪態をついていると体がクルッと回転し、目の前に洸の顔が現れた。
「え、イリュージョン?」
「言ってろバカ。お前が軽すぎんだよ。」
なっ、人が本気で感心してたのに!
どうやったらあんな簡単に人間が持ち上がるんだよ―…って、俺が軽いんでしたね。
「ふはははは。」
「…今さらヘコむなよ。」
ムチャ言わんで下さい。
これでも俺は男です…
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