君が不機嫌な理由

12/19
前へ
/411ページ
次へ
コイツ… 人が下手に出てれば調子に乗りやがって…(注:相手は先輩、しかも学校一の不良) 「もうっ、マジで何なワケ!?」 「え…逆切れかよ。」 逆切れしたくもなるわー! なんだ、この距離。 俺の反応見て楽しんでる洸が悪いんだろーがっ! 「さっさと怒ってる理由吐けや、コノヤローッ!!」 「うおっ、人の上で暴れんな!」 はぁっ、キリがねーじゃねぇか… 深呼吸を1つして、ジッと洸の目を見据える。 真っすぐに、逸らさない。 いや、逸らせないのかも… 一度洸の紅い瞳に捉えられたら、もう逃れる事はできない気がする―… そんな事を考えてると、ポツリと洸の口から言葉が発せられた。 「…俺にも分かんねーんだ。」 「え?」 「お前は俺から目を逸らさない。」 スッと洸の手が伸びてきて、優しく俺の頬に触れる。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加