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羞恥で目に薄っすらと涙が浮かぶ。
ギュッと固く目を瞑って、必死で甘い痺れに耐える。
「―っ、はぁっ…んぁ、…」
「…唯人。」
名前を呼ばれて目を開いた。
「唯人。こっち見て?」
甘く掠れた優しい声に誘われるように、ゆっくりと洸を見上げる。
「…なに?」
「クスッ、いい子だ。」
ふわっと優しく髪を撫でられる。
普段なら子ども扱いするなって反抗するが、今は頭がボーっとする。
何より、洸の優しい笑顔と手を振りほどけなかった。
「唯人、覚えてて。」
「…なにを?」
「俺は、今みたいな唯人の姿も声も、誰にも見せたくない。」
「?」
洸は何言ってるんだ?
―…ダメだ、眠くなってきた…
「俺以外の奴が唯人に触れて啼かすなんて、絶対に許さねぇ。だから…」
「―…こ、ぅ?」
だめだ、もう眼を開けてられない…
「だから―…俺のモノになれ、唯人。」
額に感じた柔らかな唇の感触を最後に、俺は眠りに落ちた。
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