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■洸side
スースー…
穏やかな寝息を立てている唯人に俺の上着をかける。
「…あの状況で寝るか?普通。」
床に腰を降ろしてソファに背もたれる。そういえば、前にもこんな事があったっけ。
「唯人君、寝たんですか?」
少し離れたテーブルでパソコンを操作していた弘斗が声をかけてきた。
「ああ。…こいつ毎日寝すぎじゃね?」
もう一度唯人の寝顔に視線を戻す。
よく顔を見ると眼の下に薄いクマができている。
「姫ちゃんね―、教室でもずっと眠りっぱなしなんだよ。」
心配そうな顔の千紘が俺の横に腰を下ろす。
「遠足中も寝ちゃうからビックリした。」
「は!?マジかよ。」
それはいくらなんでも…
「もしかして、夜に眠れてないんじゃないですか?」
「それで朝と夜が逆転してもーてる…とか?」
「可能性はある。」
みんな心配そうに口々に言葉を発する。
…俺らをここまで手懐けるとはな。
「大したもんだよ、お前。」
コツンと小さな額を小突くと、「ん、」と小さく呟いた。
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