三大勢力とパパラッチ

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離れようともがくけど、顎と手首を掴まれてて逃げられない。 「たったこれだけで、君は逃げられなくなるんだよ。ふいに大勢で来られたらどうなるか、想像してみな?」 「―…っ、!!!」 たった1人も振りほどけない今の状況で、過去に何度か襲われかけた時の記憶が蘇った。 ゾッ 背筋が凍りつくような寒気が走る。 急に目の前の先輩が怖くなった。 …逃 ゲ ラ レ ナ イ… 先輩から目を逸らして身を固くすると、掴まれていた顎と手首が解放された。 ホッと安堵の息をつくと、先輩が俺を宥めるように優しい声を発した。 「ちょっと脅しすぎたかな。ゴメンね、大丈夫?」 「ん、平気…」 スッと先輩の手が伸びてきて、無意識に体がビクッと震える。 先輩は一瞬ためらったけど、そのまま俺の髪に触れて優しく撫でた。
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