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「俺も唯人を危険に晒してる人間の一人だ。それくらいさせてくれ。」
俺の写真を売ってることだろうか。
あれは本当に気にしてない(むしろ無関心だ)し、そのお陰で今こうして先輩と仲良くなれたんだ。
「気にしすぎだよ、先輩は。」
「ん、ありがとな。…あのさ、」
「ん?」
「その先輩って呼ぶのやめない?」
じゃあ何て呼ぼうかと思考を巡らせていると、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
先輩から離れて立ち上がる。
「教室帰るなら送って行こうか?」
「子どもじゃないんだから、一人で帰れるよ。」
「(子ども扱いしてんじゃねーんだけど…)」
早く更衣室に行かないと、着替え終わった颯と千紘がきっと屋上まで迎えに来かもしれない。
…いや、絶対来る。
しかもダッシュで。
体育で疲れてるのに、それは申し訳なさすぎる。
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