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ある日の部活中、部員の撮った写真のアルバムを見ながら尋ねてみた事があった。
「なぁ、なんで空の写真しか撮らねーの?」
それが悪いという意味ではなく、ただ純粋に、1つのものを毎日撮り続けるという事が理解できなかったのだ。
「なんでって、空が好きだから。」
「ふーん。でもさ、毎日同じもの追いかけてて飽きないの?」
何百枚にも及ぶ空の写真。
色や雲の形は毎日変わるけど、それでも1つのものを追い続けられる友人が少し羨ましかった。
「一樹は飽きっぽいからね。」
「うん…俺も夢中になって、いつまでも撮り続けられるものが欲しい。」
そして3年の春―…
俺は唯人に出会ったんだ。
校内で唯人の噂が流れて、その存在を知った。
唯人の人気はすさまじくて、写真を撮って来てくれと頼まれる事が増えた。
初めて唯人を見た時、確かに美形だと思ったけど、さほど興味は無かった。
だから依頼を受けたら撮って、代わりに報酬を受け取る。
部費のために、何も考えずにシャッターを切った。
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