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竹ちゃんに引きずられて来たのは準備室。
「じゃ、この荷物を資料室に運んだら部活に行っていいからね。」
そう言って颯爽と立ち去る竹ちゃん。
あぁ、その軽やかな足取りが怨めしい…
「でもま、居眠りする俺が悪いか。」
竹ちゃんも歳だし、いつも優しい竹ちゃんの助けになるなら悪くないか。
そんな事を思うとフッと小さな笑みが浮かんだ。
改めて床に置かれた荷物と対峙してみると結構な量だ。
「2回に分ければ大した事ねーんだけど…」
資料室は1つ上の階なので、荷物を持って何度も行き来するのは正直面倒くさい。
「しゃーねぇ。一発で行くか!!」
腕まくりをして気合いを入れる。
大きいダンボール1箱、一回り小さいダンボール2箱を積み上げた。
「ま、何とかなるだろ。」
両手に2つずつ紙袋を通し、グッと力を入れてダンボールの山を持ち上げる。
「うわぁっ、―…っと。」
重さでよろめいたが、壁に背をついたおかげで転倒は免れた。
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