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「うっわ、重い…しかも前見えね―し!」
1箱自体はそんなに重くないからナメてた。
塵も積もれば、ってヤツか?
「これは早いこと運ばないと腕がもげるっ!!」
何度か壁にぶつかりながらも、何とか狭いドアをくぐって廊下に出た。
前が見えないから壁を伝って進む。
よろけながらも小走りしていると―…
「ぅわっ!!?」 ドンッ!!
何かと衝突した反動で跳ね返り、おもいきり壁に後頭部を打ちつけた。
「痛っ―…!!!」
激痛で目に涙を浮かべていると、頭上から怒鳴り声が降ってきた。
「おい、どこに目付けてんだ1年。」
「痛てーだろうが!」
「気つけろチビ。」
「つか顔見せろや?」
壁を背に4人に囲まれた。
どうやら俺がぶつかったのは人。
しかも上級生で、タチの悪い奴らだったようだ。
「―っ!?」
グッと前髪を引っ張られて上を向かされる。
「ちょ、何すん…」
「はは、コイツ涙目じゃん。俺らが怖くて泣いちゃった?」
下品な笑い声に虫唾が走る。
誰がお前らなんかにビビるかっての。
これはさっき打った頭が痛すぎるんだよ、ボケ!
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