災難続き

4/21
前へ
/411ページ
次へ
「うっわ、重い…しかも前見えね―し!」 1箱自体はそんなに重くないからナメてた。 塵も積もれば、ってヤツか? 「これは早いこと運ばないと腕がもげるっ!!」 何度か壁にぶつかりながらも、何とか狭いドアをくぐって廊下に出た。 前が見えないから壁を伝って進む。 よろけながらも小走りしていると―… 「ぅわっ!!?」 ドンッ!! 何かと衝突した反動で跳ね返り、おもいきり壁に後頭部を打ちつけた。 「痛っ―…!!!」 激痛で目に涙を浮かべていると、頭上から怒鳴り声が降ってきた。 「おい、どこに目付けてんだ1年。」 「痛てーだろうが!」 「気つけろチビ。」 「つか顔見せろや?」 壁を背に4人に囲まれた。 どうやら俺がぶつかったのは人。 しかも上級生で、タチの悪い奴らだったようだ。 「―っ!?」 グッと前髪を引っ張られて上を向かされる。 「ちょ、何すん…」 「はは、コイツ涙目じゃん。俺らが怖くて泣いちゃった?」 下品な笑い声に虫唾が走る。 誰がお前らなんかにビビるかっての。 これはさっき打った頭が痛すぎるんだよ、ボケ!
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加